新型コロナウイルスによる肺炎、世界的流行の兆し

 中国・武漢市を中心に多発する新型コロナウイルスによる肺炎が、世界に広がっています。

日本政府は、感染症法上の指定感染症および検疫法上の検疫感染症に指定することを決めました。

これにより、患者の強制入院や就業制限などが可能になり、空港や港で入国者に感染が疑われる場合、国が検査や診察を受けるよう指示できるようになります。

また、世界保健機関(WHO)が、国際的な公衆衛生上の緊急事態に相当すると宣言しました。

 

 中国全土では春節旧正月)に関連する行事の中止や観光施設の閉鎖が相次ぎ、今年の東京五輪予選の開催地変更、北京冬季五輪の開幕2年前記念行事の中止なども決まりました。

店舗や工場の臨時休業、バス・鉄道などの公共交通機関運休、学校の臨時休校など、人々の生活にも大きな影響を与えています。

 

 この肺炎は、せきや発熱といった風邪の症状を起こします。

高齢者や持病がある人は重症化することもあり、呼吸困難などの症状が現れます。

発熱などの肺炎特有の症状を伴わない事例も出ており、出入国の際の体温検査だけでは感染を捕捉できないおそれがあります。

 

 感染防止にはこまめな手洗いが重要です。

外出先で手に付いたウイルスが体内に入り込むのを防ぐためです。

アルコール消毒も有効です。

感染者のせきやくしゃみのしぶきを吸い込むとうつる可能性があるため、感染者はマスクの着用とせきエチケットを心がける必要があります。

 

 2003年中国を中心に流行したSARS重症急性呼吸器症候群)、2012年中東で確認されたMERS(中東呼吸器症候群)も新型のコロナウイルスが原因です。

当時のような混乱が起こらないよう、祈るばかりです。